研究概要 |
種々の光照射法が光重合型レジン修復物の辺縁封鎖性、窩壁適合性ならびにレジン試片の曲げ強さに及ぼす影響を調べた牛歯唇側象牙質面に、直径3mm、深さ1mmの円柱状窩洞(C-factor=2.3)を形成した。この窩洞にUniFil Bond(GC)を使用し、UniFilS(shade A3, GC)のレジンを填塞した。その後、NEWLIGHT VL-II(VL-II, GC)、ランプ電圧可変機構を有する光照射器のCo-bee(GC)と試作ランプ電圧可変光照射器(EP, GC)を用い、(1)VL-IIによる従来法照射;700mW/cm^2 60秒間照射と、(2)Co-beeによる出力漸増型光照射(以下Ramp照射法と省略);210mW/cm^2から700mW/cm^2に5秒間で上昇+600mW/cm^2 55秒(3)EPによるStep照射法のSlow-start curing法;270mW/cm^2 10秒+インターバル5秒+600mW/cm^2 50秒の3種の光照射法により重合硬化させた。これら試料に5℃と55℃のサーマルストレスを500回与えた後、色素浸透試験を行った。これらの辺縁封鎖性ならびに窩壁適合性を、色素浸入部位の長さの窩縁または窩壁全長に対する百分率を算出評価し、Mann-Whitney Utestで統計処理を行った。一方、テフロンモールド(2x2x8mm)にUniFil Sのレジンを填塞し、前記と同様の3種の光照射法により重合硬化させ、これら試片の曲げ強さを3点曲げ試験法により測定した。この結果をFisherのPLSD testにより統計処理した。 その結果、Ramp照射法とStep照射法は、レジンの曲げ強さを減少させることなく、光重合型レジン修復物の辺縁封鎖性ならびに窩壁適合性を有意に向上させることが判明した。
|