各種照射法における光の総照射時間を短縮した場合の、光重合型レジン修復物の辺縁封鎖性および窩壁適合性に及ぼす影響を調べた。牛歯唇側象牙質面に、直径3mm、深さ1mmの円柱状規格窩洞(C-factor=2.3)を形成した。この窩洞に化学重合型の接着システムであるSuper-Bond D-Liner(Sun Medical)と、デュアルキュア型の接着システムであるClearfil Photo Bond(Kuraray)と光重合型の接着システムであるClearfil Liner Bond2(Kuraray)を使用し、Photo Clearfil Bright(Kuraray)のレジンを填塞した。その後、試作ランプ電圧可変光照射器(GC)を用い、Slow-start curing法;270mW/cm^210秒+インターバル5秒+600mW/cm^250秒の照射条件と、コントロールとして600mW/cm^260秒間の2つの照射法を適用した。さらに、これら総照射時間が60秒の条件に対し、総照射時間が30秒、すなわち、Slow-start curing法;270mW/cm^210秒+インターバル5秒+600mW/cm^220秒と、コントロールとして600mW/cm^230秒間の4種の照射法を用い、総照射時間を30秒と短縮しても、総照射時間が60秒の光照射法と同様の効果が得られるか、辺縁封鎖性と窩壁適合性を色素浸透試験により評価し比較検討を行った。 その結果、弾性のある接着材とSlow-start curing法を併用すると、短い光照射時間であってもレジン修復物の辺縁封鎖性と窩壁適合性を向上させることが判明した。
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