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2002 年度 実績報告書

微小組織切片中の核酸を利用した露髄部の細菌種の同定および炎症歯髄の病態解析

研究課題

研究課題/領域番号 13672000
研究機関徳島大学

研究代表者

尾崎 和美  徳島大学, 歯学部附属病院, 講師 (90214121)

研究分担者 川崎 有希子  徳島大学, 歯学部, 助手 (60294708)
松尾 敬志  徳島大学, 歯学部, 教授 (30173800)
キーワード象牙質齲蝕 / 16S rDNA / 電顕用樹脂 / TEM-in situ hybridization / RT-PCR / Toll-like receptor
研究概要

炎症歯髄組織におけるToll-like receptor family分子特にTLR-2,4および9のmRNAレベルにおける発現様相をin situ hybridizationにて,またTLR-2および4の蛋白レベルにおける発現様相を酵素抗体法染色にて検索した結果,以下の所見を得た。すなわち,1.歯髄組織に浸潤している炎症性細胞の多くでTLR-2のmRNAレベルでの発現が観察され,またTLR4は炎症性細胞の一部において,弱いながら発現が認められた。一方,TLR-9の発現は歯髄組織に浸潤している炎症性細胞の多くに強度の発現が認められた。2.光顕レベルでは,歯髄組織に浸潤している炎症性細胞の一部でTLR-2の弱い発現が観察されたが,TLR4の発現は認められなかった。3.電顕レベルにおいて,TLR2および4のいずれにおいても,形質細胞様細胞の細胞内での発現が認められた他,樹状細胞様細胞においてはTLR2蛋白の発現が,またマクロファージ様細胞においては,TLR4蛋白の発現が認められた。一方,リンパ球と思われる細胞の細胞膜あるいは細胞質内に両タンパクとも発現が認められなかった。これらの所見より,TLR2あるいは4蛋白の合成,細胞膜上での発現および特異的リガンドとの結合によるMyD88以下のシグナル伝達のみならず,endocytosisあるいはpinocytosisにより取り込まれたTLR特異的なリガンドである抗原とTLRの細胞内での会合および認識機構による別のシグナル伝達系の存在が示唆され,またTLRシグナルの活性化による免疫担当細胞からのTNF-α,IL-12p35あるいはp40などのサイトカインの分泌の増加などによる歯髄炎の病態としての憎悪を制御する一要因として重要であることが示唆された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] MatSu T.et al.: "An immunohistological study of the localization of bacteria invading root pulpal walls of teeth with periapical lesions"Journal of Endodontics. (in press). (2002)

  • [文献書誌] Nakanishi T.et al.: "An immunohistologic study on the localization of selected bacteria and chemokines in human deep-carious teeth"Dentin/Pulp Complex Proceedings of the International Conference on Dentin/Pulp Complex 2001. 3. 143-145 (2002)

  • [文献書誌] Hosokawa Y.et al.: "Macrophage Inflammatory Protein 3α-CC chemokine recepter 6 interactions play an important role in CD4+T-cell accumulation in periodontal diseased tissue"Clinical Exp. Immunology. 128・3. 548-554 (2002)

  • [文献書誌] 中西正: "歯髄炎の病態形成における細菌侵襲と歯髄反応"四国歯学会雑誌. 14・2. 255-263 (2002)

  • [文献書誌] 尾崎和美: "象牙細管内細菌の挙動"日本歯科保存学雑誌. 45秋季特別号. 4-4 (2002)

  • [文献書誌] 尾崎和美: "象牙細管に侵入させた細菌の超微組織学的検索"日本歯科保存学雑誌. 45春季特別号. 46-46 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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