• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2001 年度 実績報告書

歯根嚢胞の病変増大機構の解明と臨床への応用

研究課題

研究課題/領域番号 13672012
研究機関日本大学

研究代表者

鶴町 保  日本大学, 歯学部, 講師 (60139201)

キーワード歯根嚢胞 / 浸透圧 / タンパク質 / 酵素
研究概要

歯根嚢胞の病変増大メカニズムは、嚢胞腔に停滞した内溶液(タンパク質やムコ多糖類など)の増加による浸透圧の上昇と、これに伴う内圧亢進が一因と考えられる。しかしながら、内溶液の直接的な濃度上昇が、嚢胞内の浸透圧上昇に関与するにはこれら成分の分子はあまりにも大きく、分子自体の濃度が増加することで嚢胞内の浸透圧が上昇するとは考えにくく、他の要因の関与が不可欠である。
本年度は、嚢胞内溶液成分のタンパク質としてアルブミン、ゼラチン、トランスフェリンを、ムコ多糖類としてヒアルロン酸を供試材料として、それらの濃度と浸透圧との関係を、次に反応用酵素としてタンパク質にはトリプシンを、ヒアルロン酸にはヒアルロニダーゼを用いて、酵素による基質分解の程度と浸透圧との関係を検索した。
その結果、下記の結論を得た。
1.タンパク質(アルブミン、ゼラチン、トランスフェリン)の濃度を0.1-1.0%まで変化させたとき、溶液の浸透圧に対する影響は少なかった。しかし、これらのタンパク質を酵素で分解すると溶液の浸透圧は上昇し、基質の分解程度と相関性が認められた。
2.ヒアルロン酸は低い濃度(0.1%)で、溶液の浸透圧を上昇させるが、ヒアルロン酸を酵素で分解しても溶液の浸透圧の上昇は少なかった。
以上のことから、酵素によるタンパク質の低分子化とヒアルロン酸自体により、溶液の浸透圧が上昇することが明らかとなった。同様なことが歯根嚢胞内で生じているとすれば、それが内圧亢進の助力となり、嚢胞拡大に影響をもたらしている可能性があることを示唆した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 野崎弘晃, 鶴町保 他: "PGE2が歯根嚢胞由来細胞の骨吸収性サイトカイン産生に及ぼす影響"日本歯科保存学雑誌. 44巻. 23 (2001)

URL: 

公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi