1.L-アルギニン誘導体による一酸化窒素(NO)の合成阻害 1)ヒト臍帯静脈血内皮細胞(HUVEC)をLPSおよびIL-1αまたはIFN-γで刺激し、その後末梢血好中球(PB-PMNs)との共培養系に添加した。得られた培養液中のNO濃度をGriess試薬を用いて測定したところ、10.25μMであった。 2)1)の共培養系にL-アルギニン誘導体であるL-NMMAを添加し、得られた培養液中のNO濃度を測定したところ7.02μMであり、アルギニン誘導体の添加でNO合成が有意に低下した。 2.誘導型NO合成酵素(iNOS)遺伝子発現の検索 通法に従い、共培養したHUVECならびにPB-PMNsからRNAを分離し、ランダムプライマーおよび逆転写酵素を用いて相補的なDNAを作成したのち、ヒトiNOS特異的PCRプライマーとDNA合成酵素を用いたPCR法により、iNOSmRNAの遺伝子発現を検索した。その結果、iNOS遺伝子の発現を認めた。 3.Southern hybridization法 2.で得られたPCR反応産物をナイロンメンブレン上にSouthern transferし、ヒトiNOS特異的インターナルプローブを作成したのち、非ラジオアイソトープを用いたSouthern hybridization法をおこなった。得られたオートラジオグラフィー上でiNOSのインターナルプローブとハイブリダイゼーションしたシグナルを確認し、PCR法の特異性を確認した。
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