研究概要 |
本研究における接着性修復材料における辺縁封鎖性の非破壊的検討方法として、共焦点レーザー走査顕微鏡(CLSM)を用いた手法を用いて検討続行中である。実験方法としては、まず各種レジン接着システムを用いて実験的窩洞修復を施した試料を作製する。その試料に対して繰り返し荷重、サーマルサイクリングの負荷、または両条件の同時負荷を与えた後に、蛍光色素であるRhodamine B溶液中に試料を浸漬し、波長568nmのAr/Krレーザーを励起光として用いることにより微少辺縁漏洩状態の観察が可能であることが既に確認できており、引き続き検討中である。従来より、接着性修復物の辺縁封鎖性検討には、多くの研究者が色素浸透とその後の試料の切断により顕微鏡観察するという色素浸透試験の手法を用いてきたが、本研究においてはCLSMと蛍光色素の利用により、非破壊状態で検討を行うことが可能となった。 これらの成果は接着歯学19巻にて論文投稿を行い、Journal of Dental Research,80,81-Special Issue,にて報告を行い、今後82-Special Issueにおいても報告する予定である。 また、窩洞のどの部位から辺縁漏洩が進行していくかについても検討を始めている。これは窩洞内における歯質接着の欠陥をこれらにより、非破壊的辺縁漏洩評価の一法としてのCLSMと蛍光色素の利用の正当性を確立する予定である。
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