研究概要 |
本研究では・フィラー形状および含有量が異なるコンポジットレジンを試作し,それらが被削性に及ぼす影響について検討を行った. 試験には当教室で開発した,試片を移動させながら切削を行える試作切削試験機を改良し,送りスピードおよび試片の安定性を向上させた被削性試験機を作製し用いた.試作したコンポジットレジンのマトリックスレジンにはBis-GMA系を用い,フィラーには,球状フィラーとハイブリッドタイプの不定型フィラーを用いた.試作コンポジットレジンは,フィラーを80mass%混合,50mass%混合したものを作製した.研削には円柱状ダイヤモンドポイントを用い,研削時エアータービン回転数は32,000rpmとした。 今回試作したコンポジットレジンは研削回数が進むと被削性が減少するものと被削性があまり変化しないものとがあった.また,フィラー形状では,球形フィラーを用いたコンポジットレジンの方が不定型フィラーを用いたものに比べ大きな被削性を示す傾向が見られ.これはフィラー含有量が大きいほどその傾向は顕著であった.これにより,フィラー形状はコンポジットレジンの被削性に大きく影響すると考えられる.被削性と引掻き硬さとの関係は今回の結果からは明瞭な相関は認められなかった.これについては,今後の検討課題である. なお,これらの成果は平成14年4月に行われる日本歯科理工学会学術講演会にて発表予定である.
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