研究概要 |
本研究の目的は,脳卒中症における音声言語機能障害である麻痺性構音障害の主因である鼻咽腔閉鎖不全症の重症度を口蓋帆挙筋筋電図により評価できるかを検討し,さらにパラタルリフトの長期装着によって鼻咽腔閉鎖機能が受動的に変化し,さらにCPAP療法(鼻腔内陽圧負荷療法)等により運動療法の個別プログラムの構成が可能かを口蓋帆挙筋活動によって評価できるを検討することにある.この目的のために,平成14年度には以下の項目についての検討した. 1.運動障害性構音障害例でパラタルリフト完成後の全ての患者の口蓋帆挙筋活動を採取した. 2.旧患にあっては,長期経過中の口蓋帆挙筋筋電図を既に発表している鼻咽腔閉鎖機能の予備能を口蓋帆挙筋活動で検討する方法に準じて,経過期間に応じて予備能の変化について検討した.同様に新患にあっては,装置完成後の口蓋帆挙筋活動をもとに,重症度分類した. 3.新患・旧患を問わず実験的CPAPに反応した症例では,反応あった鼻腔内圧を最高圧とし,無反応であった症例では,これまでに推奨されているプロトコル(Plast Reconstr Surg 88:959-966,1991.; Amer J Speech-Lang Path6:5-8,1997.;日口蓋誌,23(1):28-35,1998.)に従って在宅CPAP療法を開始した. 4.CPAP開始後,2ヶ月(CPAP第2クール終了時),6ヶ月時に筋電図を採取する.同時に音声言語所見について,内視鏡検査,ナゾメータ検査および聴覚的評価を行っている.
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