研究概要 |
2本インプラントを支台としたオーバーデンチャーで、バーアタッチメントを使用されるマトリックスが、インプラントに生じるひずみ、義歯の動揺に与える影響について検討した。下顎無歯顎模型の両側犬歯相当部に、インプラントを模型基底面に対して垂直に植立した。疑似粘膜として、シリコンラバー系印象材を用いた。顎骨モデル内に埋入されたfixtureに連結される維持装置としてニューCMバーアタッチメントを採用した。バー中央部10mm,5mmのフィメール2種類と、5mmのフィメール2個、さらに長さ10mmのフィメールを使用した3条件を設定,インプラントにかかるひずみを測定した。義歯の動きに関しては、左側第一大臼歯相当部に取り付けたセンサー(3SPACE,ポヒマス)にて、義歯の3次元的な変位および回転について計測した.義歯に対する荷重は、島津精密万能試験機をて,義歯床右側第一大臼歯相当部を荷重点とし、咬合床咬合平面に対して垂直に50Nの静的荷重を与えた。 その結果、同一の有床部形態、適合性を有する義歯であっても適用する支台装置により荷重の欠損部顎堤、支台インプラントに対する分配は大きく異なった。求た支台インプラントのひずみの大きいものほど、義歯の動揺が小さくなることが示唆された。すなわち,マトリックスを2個にすると、連結強度が強まり、インプラントに生じるひずみは大きくなり、義歯は安定することが示唆された。 つぎにマトリックスの長さを2倍にすると、連結強度が強まり、インプラントに生じるひずみは大きくなり、義歯は安定することが示唆された。さらに同じ長さでも、マトリックスを分割すると、連結強度が強まることが示唆された。
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