研究概要 |
平成14年度の研究では13年度に引き続き光源と照射器の設計試作と評価を行った. 1.発光管の設計と試作:照射器に用いられる光源であるランプは一般に発光管とリフレクターを組み合せて製作される.発光管は光線を照射する本体で,石英ガラス製放電容器にタングステンを主成分とする電極を配置した.管内には水銀,アルゴンガス,金属ハロゲン化物を封入した. 2.リフレクターの設計と試作:リフレクターの材質は金属ガラスのどちらかが考えられるが,本研究で用いるリフレクターは光源から照射された光線のうち,不要な部分は透過し,有用な部分は反射するような構造を持つことを必要条件に設定した.したがって,金属ではなく,ガラスに金属酸化物をコーティングすることで所要性質を満たした. 3.光源の設計と試作:上記の条件に加えて発光管の電極間距離やリフレクターの曲率を変化させて光源であるランプを設計,試作した. 4.光源の性能評価:試作した光源の特性を検討した.光源の波長分布は紫外線を主とした.照度,輝度は歯科材料の重合に十分と判定された.次に試作光源を搭載した光線照射器を試作した.これを用いて歯科材料に光線を照射して硬化深度を測定した.その結果,試作照射器は多くの従来型照射器の性能を上回った.一例として試作光線照射器による歯科用複合材料の硬化深さ(mm)を以下に示す.比較対照は市販の光線照射器である.試作照射器:市販照射器(LBL)で照射時間20,30,60,90秒の順.20s=2.05:0.00. 30 s=2.47:0.95. 60s=2.99:1.93. 90s=3.25:2.28.
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