実験に用いた脱アセチル化度70%(D70)、85%(D85)と99%(D99)のキトサンの分子量は照射前がD70は2.4×10^6、D85は1.9×10^6、そしてD99の分子量は1.1×10^6であった。^<60>Coγ線を照射した分子量は、D70が3.4×10^5、D85は3.0×10^5、そしてD99は2.5×10^5であった。γ線を照射することによって、キトサンの分子量は減少する傾向であった。色彩変化においては、すべてのキトサンが黄色味を呈する傾向を示すものであった。 引張強さについては、D70の照射前では126gf/mm^2であり、照射後は28gf/mm^2であった。D85の照射前の引張強さは83gf/mm^2であり、照射後は102gf/mm^2であった。ついで、D99の照射前の引張強さは、67gf/mm^2であり、照射後は68gf/mm^2と照射前後の引張強さは差が認められなかった。しかし、D70は大きく引張強さは減少する傾向を示した。D85とD99はD70とは逆に、照射後の引張強さは大きくなる傾向を示した。伸びは、D70は大きく減少し、D85とD99は、わずかに減少する傾向であった。フイルムに^<60>Coγ線を照射することによって、引張強さは、脱アセチル化度が低いと、大きく減少する傾向を示し、脱アセチル化度が高いと、引張強さは大きくなる傾向を示した。しかし、伸びはすべて減少し、もろくなる傾向であった。 それぞれのキトサンを用いてラット頭蓋骨に骨膜を剥離し押入した。その結果、γ線照射前のキトサンではD99が最も分解が遅く、骨との反応が認められなかった。一方、D75とD85は分解が早く、骨との反応が認められ、骨吸収が著しく認められた。一方、γ線を照射した後の反応はD99、D85、D75ともに著しく骨吸収が確認された。したがって、本処理によって得たキトサンは他の骨伝導物質と併用することによって骨形成が効果的に行えると考えられた。したがって、今後、本研究を継続したいと考えています。
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