研究概要 |
目的:温熱化学併用療法の対称群として、化学療法単独の場合の適切な投与量を決定する。 対象および方法:担癌(0-1N)ハムスターを使用し、まず、2mm角の腫瘍組織片をハムスターの頬粘膜下に移植後、約3週間経過し、長径約6mmに達した類円形の腫瘍を、原発巣として実験対象とした。実験群の設定は1)化学療法群(6匹)、2)無処置群(9匹)とした。TXTの投与量は予備実験を行い、10mg/kg;1回(1匹)、2回(2匹)、20mg/kg;1回(1匹)、2回(2匹)とした。抗癌剤は添付溶解液13%エタノールにてTXTを希釈し、ハムスターの腹腔内に1回または3日間隔で2回投与した。投与後、経日的に腫瘍径を計測し、投与後21日目に動物を屠殺し、頸部リンパ節およぴ原発巣を摘出固定後、HE染色し、病理組織学的検索を行った。 結果・考察:原発腫瘍体積の経日的変化:化学療法群ではTXT10mg/kg;1回、2回および20mg/kg;1回投与群で腫瘍増大抑制効果がみられ、20mg/kg;2回投与群では腫瘍縮小効果が認められた。一方、副作用は、20mg/kg(2回)で脱毛などが顕著にみられ、副作用が強いと思われた。頸部リンパ節転移に関しては、化学療法群で1匹死亡し、5匹中3匹、無処置群では9匹4匹に転移を認めた。化学療法群の内訳:TXTIOmg/kg(1回,1匹)で節外型1個、全体型1個の計2個、10mg/kg(2回)で転移無し、20mg/kg(1回)で転移無し、20mg/kg(2回、2/2匹)で節外型3個、全体型1個さ計4個を認めた。 今後、温熱化学併用実験を3日間隔で2回行う予定であることから,TXTは10mg/kg(3日間隔2回)の実験群を追加する予定である。
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