研究課題/領域番号 |
13672094
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
福永 城司 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (10284069)
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研究分担者 |
山合 友一朗 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (00158057)
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キーワード | 骨粗鬆症 / 免疫抑制剤 / 破骨細胞 / 破骨細胞分化因子 / 破骨細胞形成抑制因子 / 骨移植 |
研究概要 |
平成13年度はラットに免疫抑制剤FK506を連日28日筋肉注射(1mg/kg)し骨粗鬆症モデルラットを作製した。まずFK506投与骨粗鬆症モデルラットを組織学的に観察した。その結果組織学的にはFK506による実験群の骨吸収は、enchondral ossificationより下方でtrabecula boneの減少が認められ、またTRAP染色に陽性な破骨細胞はenchondral ossificationでコントロール群より明らかに数が増加していた。次に破骨細胞分化因子(ODF)と破骨細胞形成抑制因子(OCIF)遺伝子の発現を見るためRT-PCRのプライマーを設計しラットから脛骨を摘出しホモジナイズした後、抽出したmRNAをcDNAに転写しRT-PCRを行った。さらに雪印乳業から提供されたODF、OCIF遺伝子をクローニングし、ODFとOCIFのRNAプローブを作製し、In situ hyburidydation(ISH)で観察をした。OCIFはRT-PCR、ISHの両方ともにコントロール群と実験群ではほとんど差は認められなかった。しかし、ODFはRT-PCRでは明らかに実験群にてmRNAの発現が増加しており、また組織学的に破骨細胞の増加するenchondral ossificationから下方部に一致してISHでもODFの発現が実験群で強くなっていた。このことからFK506は骨芽細胞に作用して、ODFmRNAの発現を増加させ破骨細胞の分化・成熟を促し、増加が起こったことにより骨粗鬆症が発症したことが今回の実験によって証明できた.以上の結果を現在論文にまとめ国際雑誌に投稿中である。今後の研究は平成14年度には、免疫抑制剤FK506からODF、OCIFへのシグナル伝達機能を確認する目的で、上流の影響タンパクのwestern blot法、免疫組織化学染色を行う予定である。
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