私は、舌扁平上皮癌の生検時組織標本における核異型度を画像解析し、頸部リンパ節転移との関連性について評価し、本法が頸部リンパ節転移の予測に有用であることを既に報告した。 その後、生検時の細胞診標本を用いて同様の解析を行った。また、組織標本における結果との相関についても検討した。 画像解析ソフト(MACSCOPE;三谷社製)を用いて、1症例あたり100個の腫瘍細胞の核について、核の大きさの指標として平均核面積と周囲長を、また核形態の指標として円形度(4π核面積/(周囲長)^2)および針状比(絶対最大長/対角比)を求めた。さらに大小不同性の客観的指標として核面積変異係数=核面積標準偏差/平均核面積x100(%)を算出した。 細胞診標本における結果は、組織標本の結果と相関しており、リンパ節転移症例において、平均核面積と周囲長は高値を示した。また、円形度は非転移症例において高値を示した。針状比とNACVにおいては、リンパ節転移症例において高値を示した。 以上より、細胞診標本を用いた核異型度解析は頸部リンパ節転移の予測に有用であることが示唆された。
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