研究課題/領域番号 |
13672111
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
藤田 茂之 和歌山県立医科大学, 医学部・歯科口腔外科学, 教授 (50228996)
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研究分担者 |
松平 淳 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (00285404)
天野 祐子 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (40326377)
宮田 和幸 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (10157654)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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キーワード | Internal derangement / temporomandibular joint / Keratan-sulfate / RT-PCR / MMP / chondroitin-sulfate / COX |
研究概要 |
顎関節症は関節円板組織の細胞外基質の生合成の病態変化が円板前方転位に深く関与していると考えている。しかし、その解析は今だ充分には施行されていない。そこで、重度の関節円板前方転位症例の円板内のKeratan-sulfateやChondroitin-6-sulfateの分布解析を行った。その結果、正常ヒト関節円板の負担の強くかかる部位にKeratan-sulfateやChondroitin-6-sulfateが多く存在し、重度の円板前方転位症例では円板前方下関節腔側に特に高濃度にこれらが局在している病態が把握できた。顎関節内障に陥り顎関節円板に異常な反復する負荷が加わるとコンドロイチン6硫酸やケラタン硫酸を多く含むアグリカンが集合体を形成して負荷部位に集積し、これら外力に抵抗しようとする病態変化が考えられたが、その詳細については今後検索継続していく予定である。また、円板組織の細胞外基質に外力が加わった場合に損傷した組織を修復しようとして増加すると考えられるtenascinのm-RNAの産生部位の変化にて検索した。その結果、滑膜肥厚が重度になるに伴い、テネイシンが滑膜表層に多く分布することを知りえた。また、顎関節に加わる過度のメカニカルストレスとそれによる低酸素状態が、滑膜細胞や関節円板軟骨細胞からサイトカインの放出を誘導し、滑膜の増生と関節円板の変形という顎関節内障の病態を形成しているのではないかと考えIn vitroで検証した。家兎の顎関節円板の培養細胞株を樹立し、ブロテオグリカンの合成や分解の動態についてRT-PCR法やELISA法等の解析を施行した。また、IL-1βを添加し、炎症性サイトカインによるNOやMMPの誘導と低酸素環境の関係を分析した。その結果i-NOSのm-RNAの発現が増強すること、さらにMMP発現が増強したことが確認された。さらに、培養上清中のケラタン硫酸の定量をELISA法にて行ったところ、低酸素環境では常酸素に比較して培養上清中のケラタン硫酸が低下する傾向が認められた。
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