研究課題/領域番号 |
13672129
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
金山 景錫 金沢医科大学, 医学部, 助手 (50329380)
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研究分担者 |
佐藤 淳 金沢医科大学, 医学部, 講師 (60319069)
吉村 弘 金沢医科大学, 医学部, 講師 (90288845)
瀬上 夏樹 金沢医科大学, 医学部, 教授 (40148721)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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キーワード | 顎関節症 / 関節液(滑液) / 関節組織(滑膜組織) / 発痛物質 / サイトカイン / 神経伝達機構 / 破骨細胞抑制因子 |
研究概要 |
今回の研究により以下の成果・新知見が得られた。 1.臨床的・基礎的研究 顎関節症患者の関節液や関節組織の解析で、サイトカイン(TNF-α、IL-6、IL-11、VEGF、RANKLなど)、サイトカインレセプター(sTNFR-I/-II、IL6sR、OPGなど)、発痛物質(Bradykininなど)の局在を蛋白レベルで確認し、関節疼痛や関節破壊などの病態との関連が明かとなった。これらを列挙すると (1)顎関節症では滑膜の炎症を中心とした病態の進行とともにIL-6、TNF-α、sTNFR-I/-II、IL6sR、VEGF、炎症性蛋白の発現が増強し、相互に関連しあってサイトカインネットワークを形成していた。 (2)関節内における骨変化の機序として骨吸収因子(IL-6ファミリー:IL-6、IL-11)の刺激による破骨細胞細胞分化因子(RANKL)の発現と抑制因子(OPG)の低下が一因であることが示唆された。 2.臨床的研究 (1)患者の関節液・関節組織においてBradykininが顎関節の疼痛や滑膜炎と相関して発現しており、関節腔洗浄療法を行うことでその発現が減少することから、この治療における疼痛消失のメカニズムが明かとなってきた。 (2)MRI画像上のサインであるでjoint effusion像が滑膜炎、炎症性サイトカインなどの炎症生産物であることが示唆された。 3.基礎的研究 (1)ラットでの活性酸素(過酸化水素)誘発性急性顎関節炎モデルにて関節炎側に高度の関節破壊がおこっていた。 (2)中枢側での神経伝達機構の研究ではモルモットでの大脳新皮質における化学感覚受容野の空間分布を調べ、末梢受容器からの化学感覚情報が大脳新皮質において、空間的に符号化されて伝達されてた。 今研究によって顎関節症の病態機構とその主症状である関節疼痛のメカニズムが明かとなり有意義な結果が得られた。
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