研究課題/領域番号 |
13672149
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
矯正・小児・社会系歯学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
谷本 裕子 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (20190754)
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研究分担者 |
藤木 辰哉 岡山大学, 歯学部附属病院, 助手 (20322232)
宮脇 正一 岡山大学, 歯学部附属病院, 講師 (80295807)
山本 照子 (TAKANO Teruko) 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (00127250)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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キーワード | 顎関節 / 変形性関節症 / 咀嚼運動 / 顎関節内障 / 顎関節症 / 関節円板前方転位 / 左右側方滑走運動 / 不正咬合 |
研究概要 |
ナソヘキサグラフシステムを用いて、健常者と各種不正咬合を有する顎関節症患者の3次元6自由度の下顎運動と咬筋浅部、側頭筋前部、外側翼突筋(檜山らの方法に準じる)および顎二腹筋前腹の筋活動を採得した。被験動作は、各種顎口腔機能運動、すなわち、咀嚼運動(自由咀嚼運動、左右咀嚼運動)、習慣性開閉口運動(タッピング)、噛みしめ(クレンチング)、下顎安静位、歯ぎしり様運動(左右滑走運動)、あくび様運動(最大開閉口運動)、矢状面限界運動であった。顎関節に関する形態画像データ(MRI, Cephal(Lat, PA))ならびに形態的資料も同時に採得した。下顎運動データをテキストファイルに変換して、Visual BasicとSignal Basic(Function library)を用いて作られた顎運動データ解析ソフトウェアを用いて、Hannamらの方法に準じて各被験動作を72に等分割して、各被験動作時の下顎頭の代表点(下顎頭中央点、下顎頭内・外側極点、下顎頭表面点内側・中央・外側)と下顎第一大臼歯と下顎中切歯点の平均速度と加速度を求めた。筋電図データも同様にしてテキストファイルに変換し、筋電図データ解析ソフトウェアを用いて、全波整流と移動平均処理を行い、その後顎運動データのサンプリング密度に合わせた。 研究の背景として、疫学調査において、片側臼歯部交叉咬合を呈する者は顎関節内障の罹患率が高いとされる。そして、片側臼歯部交叉咬合患者の下顎運動に関して、前頭面観において異常が認められることが多い。下顎の左右側方滑走運動時の下顎頭の運動軌跡は咬合状態ならびに顎関節の解剖学的形態と密接に関連している。そこで、片側臼歯部交叉咬合患者に着目し、上記方法にて各種顎口腔機能運動を解析した結果、成人の片側臼歯部交叉咬合患者の左右側方滑走運動時において、交叉咬合側の下顎頭表面中央点の内側・外側方向への運動範囲が大きいことが示唆された。顎関節の大きな可動性は顎関節内障のリスク因子であることが推定されている。従って、今回明らかにされた片側臼歯部交叉咬合患者の下顎頭の運動の特徴が、関節円板の転位と関連していることが推察された。
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