研究課題
骨髄細胞培養系にM-CSFとRANKLを添加し、破骨細胞形成系を確立した。この破骨細胞形成に力学的刺激として遠心機をもちいて遠心力を加え、また電気的刺激としてパルス電磁場による刺激を加え、破骨細胞形成への影響を検討した。(1)5週令雄のddYマウスの大腿骨および頸骨から骨髄細胞を採取した。全骨髄細胞をM-CSFおよびRANKLまたはTNF-α存在下で48穴ウェル細胞培養用ディッシュにて1〜5日間培養した。培地は10%FBSを含むα-MEMを使用した。力学的刺激として遠心機を用いて細胞に1500回転(1000G)の遠心力を24時間ごとに1時間負荷した。5日間培養した後、TRAP染色を行いその形成を観察した。(2)同様にこの破骨細胞形成系に電気的刺激としてパルス電磁場による刺激を加えるためそのパルス電磁場の強さ、負荷の時間および間隔等を検討した。(3)結果ならびに考察・RANKLによる破骨細胞誘導:ddYマウスから採取した全骨髄細胞からのRANKL存在下での培養において、TRAP陽性細胞数は3日目急激に増加した。細胞数のピークは単核では3日目、多核では4日目でありその後減少した。単核細胞数の減少は融合して多核細胞になるためであり、多核細胞数の減少は多核細胞の融合で、多核細胞1個あたりが占める面積が増すためと考えている。・TNF-αによる破骨細胞誘導:全骨髄細胞をM-CSF存在下でTNF-α単独で作用させた場合、破骨細胞様細胞が形成され、用量依存的にその数は増加した。24時間ごとに破骨細胞分化を観察したところ、72時間後から分化が認められるようになった。・RANKLおよびTNF-αによる破骨細胞誘導時の遠心力の影響:RANKLおよびTNF-αによる破骨細胞誘導時に遠心力をかけた群とかけない群では、優位な差はなかったことから破骨細胞誘導には遠心による重力の影響はないと考えられる。
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