研究概要 |
重力と電磁場は両者ともに強度依存的にALPase活性を上昇させたことから、mechanical stressはヒト由来骨芽細胞様細胞の分化を促進することが示唆された。さらに、パルス電磁場負荷が、confluent以前のALPase活性を抑制したことから、増殖期にある細胞に対して増殖促進効果がある可能性が示唆された。F6-1,25(OH)2D3、1,25(OH)2D3は、重力や電磁場に対するヒト由来骨芽細胞様細胞の反応に、有意な影響を与えることも明らかとなった。また、通常、細胞表面に結合しているALPase活性と、非コラーゲン性の基質蛋白質であるBGP産生能は互いに相関するが、病態によっては時に相違が見られる。今回、重力負荷とパルス電磁場負荷で、BGP産生能が異る反応性を示したことは興味深い。Mechanical stressは、細胞レベルでヒト由来骨芽細胞様細胞の分化・増殖を制御していることが確認された。 また、RANKLおよびTNF-αによる破骨細胞誘導時に遠心力をかけた群とかけない群では、優位な差はなかったことから破骨細胞誘導には遠心による重力の影響はないと考えられる。これらのことからMechanical stressは骨芽細胞様細胞には分化・増殖促進に働き、破骨細胞には影響がないことから骨形成に有用であることが示唆された。
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