研究課題/領域番号 |
13672169
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
倉林 仁美 昭和大学, 歯学部, 助手 (20255889)
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研究分担者 |
関 健次 昭和大学, 歯学部, 講師 (00245820)
岩瀬 正泰 昭和大学, 歯学部, 講師 (50193743)
斉藤 茂 昭和大学, 歯学部, 講師 (20195986)
諸橋 富夫 昭和大学, 歯学部, 講師 (10146871)
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キーワード | 低出力超音波パルス / 上顎急速拡大 / 骨成熟 / あと戻り / 保定 / 口蓋縫合部 / 新生骨形成 / ラベリング |
研究概要 |
雄性ビーグル犬への低出力超音波パルス照射器(SAFHS)の照射により上顎急速拡大により得られた新生骨の形成に対し、促進的に作用するか、またその後のあと戻りを阻止できるかを検討した。実験期間は15週でそれぞれ拡大期間3週間、器械保定期間4週間、自然保定期間8週間に分かれる。ビーグル犬の上顎左右の犬歯にバンドを、第三前臼歯にクラウンを装着させ、急速拡大装置を鑞着し両犬に装置を装着し拡大を毎回1mm、週に2回、計6回6mm行った。2匹をそれぞれ、非照射犬と照射犬とし、照射犬にのみSAFHSの照射を毎回20分間、拡大期間中に週2回、保定期間中はほぼ週1回の頻度で、計17回一定の位置に行った。出力強度は骨折治療に使われている設定と同じ30mW/cm^2にて照射を行った。また、口腔内写真、口腔内印象、犬歯間距離、第三前臼歯(P3)間距離の計測を行った。また、骨標識用として、塩酸テトラサイクリン、カルセインの投与を拡大期間中および屠殺直前に行った。その結果、犬歯間・P3-P3間経時的変化の計測より、SAFHS照射犬は、非照射犬に比べて後戻りが少なかった。H-E染色において、組織レベルでの口蓋縫合部及び新生骨に両者の明確な差異は認められず、反射電子像所見において、両者の口蓋縫合部の走行は異なっていたがその幅に明確な差異はみられなかった。蛍光顕微鏡所見では、照射犬は、非照射犬に比べて口蓋縫合部に、より活発なラベリング像が認められた。これらの結果から、照射犬において拡大された部位は活発な骨の形成により新生骨に置き換えられ維持されていたであろうと考えられた。以上のことから、低出力超音波パルス照射には上顎急速側方拡大後の新生骨形成促進効果があり、拡大後の後戻りを阻止した可能性が示唆された。
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