研究分担者 |
中根 偕夫 日本大学, 大学院・生産工学・研究科電気工学専攻, 講師 (30059878)
山田 裕司 独立行政法人放射線医学総合研究所, 内部被ばく, 主任研究官 (20166739)
高久 悟 埼玉県立大学, 短期大学部, 教授 (80154764)
池脇 信直 九州保健福祉大学, 保健学部, 助教授 (90193226)
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研究概要 |
本研究では,平成13年度において歯科医院、一般病院、老人病院における一連の調査に引き続き、都内保育園において、バイオオートサンプラーBAS-1(クリーンテクノサービス社)により小川培地を用いて結核菌を捕集した.本報告では被験対象の保育施設は某都内保育園(分園)であり、中規模施設であった。対照として本園(築約10年)の室内環境測定を実施した。特に分園にいては、空中浮遊菌に加えてホルムアルデヒドおよびVOCを検討する必要が考えられた。そこで除去対策を含めた検討を実施した。空中浮遊菌の測定:空中浮遊菌の経時的変動の測定には,スリット式空中浮遊菌オートサンプラー装置BAS-1型(クリーンテクノサービス)にて、血液寒天培地(ウマ脱繊維素血液;ポアメデア社)を用いた。1プレート(培地)について5分間隔で菌を連続捕集した。捕集した空中浮遊菌は培養後のコロニー数を計数し,菌種も同定した。また保育施設内の要所での拭き採り検査(栄研器材(株))を実施した。室内環境中のホルムアルデヒド、トルエン、p-ジクロロベンゼンの測定には(株)ガステック社製検知管用自動ガス採取装置GSP-200を用いた。室内環境汚染除去方法:電気集塵式空気清浄機クリーンパワーCP-J5DX、CP-350(DIRECT JAPAN CO, LTD.)およびHEPAフィルター方式クリーンパーティション(日本エアーテック(株))を用いた^<1)>。また収納庫、押し入れ、靴箱からのホルムアルデヒドの発生が顕著であることが、明かとなった事から、つくばサイエンスファーム社製のサイオン脱臭剤(顆粒、不繊布、ゲル)を使用した。 本園の空中浮遊菌はグラム陰性桿菌の存在が著明であった。除去対策には電気集塵式空気清浄機クリーンパワーCP-J5DXを使用したところ、空中浮遊菌は、僅かな減少傾向があったが、室内のホルムアルデヒド濃度には変化がなかった。分園での空中浮遊菌の存在状態は本園に比べ、低値であったが、前回より、真菌の存在が顕著であった学校や保育施設においてごく微量の化学物質に反応する過敏症の児童生徒の存在が明らかとなり、化学物質の室内濃度については各種の計測と健康状態のアンケート調査がなされ、様々な建物での実態調査が進められている。高濃度の化学物質が検出された場合は早急な対策が必要である。
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