研究概要 |
まず歯根膜細胞においてNF-kBが発現するか否か、およびNF-kB抗体や二次抗体の濃度等を決定するため、健全なヒト第一小臼歯から採取した歯根膜をアウトグロースさせ、8穴LabTekチャンバースライドを用い、IL-1bを3U/mlの濃度で1時間作用させた。その後メタノールで固定し、0.1% Triton X-100,4% FCS添加PBSでインキュベーションした後、200倍希釈抗P65抗体(Santa Cruz Biotechnol)を1時間作用、抗ラビットFI TC2次抗体をインキュベートし、Vectashieldで封入し、コンフォーカルレーザー顕微鏡で検鏡したところ、細胞質や核内にNF-kB陽性反応が認められた。 IL-1bで刺激した歯根膜細胞の細胞質や核内にNF-kB陽性反応が認められたため、次にNF-kBの細胞内移行について検討するため、同様な方法で歯根膜細胞をLabTekチャンバースライドで培養し3U/mlの濃度IL-1bで刺激を加え、30分、45分、1時間、1時間、に細胞を固定した。Santa Cruz Biotechnol社製抗P65抗体を用い同様にしてNF-kB免疫染色を行ったところ、IL-1b刺激後30分、45分では細胞質より核内に強くNF-kB陽性反応が認められたが、1時間後ではしだいに弱まり、2時間後では細胞質の反応が強くなった。以上の結果より、歯根膜細胞をIL-1bで刺激すると早期にNF-kBは核内に移行しCox2等の転写を開始するものと考えられた。 現在、歯根膜細胞に周期的伸展力を加えた系については検討中である。
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