研究課題/領域番号 |
13672173
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研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
小森 成 日本歯科大学, 歯学部, 講師 (90267229)
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研究分担者 |
安藤 文人 日本歯科大学, 歯学部, 助手 (90318543)
小島 衣織 日本歯科大学, 歯学部, 助手 (80267286)
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キーワード | レジン強化型グラスアイオノマーセメント / ダイレクトボンディング法 / ブラケット / プラズマ照射器 / ハロゲンライト / LED照射 / 引っ張り接着強さ / 剪断接着強さ |
研究概要 |
レジン強化型グラスアイオノマーセメント(RGIC)の臨床的有用性を、臨床環境を可能な限り反映させてin vitroで評価することを目的として実験を行った。 まず、歯面の状態は新鮮抜去牛歯を被着体に用い、表面を規格化するために超純水を用いて#2400まで研磨した。そして、歯面周囲の状態は臨床においては簡易防湿してあるとはいえ口腔内なので室温と比べて高い温度が予想される。ボンディング材は温度により硬化が促進すると考えられ、さらにレジン系ボンディング材は湿度により物性の低下が予想される。そこで臨床環境下でヒトのエナメル質の表面温度を測定し、in vitroでの実験環境とした。その結果、臼歯部で33℃、前歯部で31℃、全体で平均32℃という値が得られた。そこでIn vitroの実験でブラケットを装着した直後の係留は32℃で行った。さらに、光照射の条件も大きく接着強さに影響を与えると考えられる。ブラケット装着直後から光照射までの時間を遷延させ、物性の低下を検討した。その結果、RGICは照射開始の遅延による影響を受けないがレジン系ボンディング材は遅延による有意な接着強さの低下が認められた。光照射については、照射した光のエネルギーにも影響を受けると考えられ、高出力型光照射器としてプラズマ照射器を用いて従来のハロゲンライトを光源とする照射器との比較を行ったところ、従来型ハロゲン照射器とプラズマ照射器との間に有意な接着強さの違いが認められなかった。 矯正用ブラケットの被着体はエナメル質とは限らず、陶材や金属の場合も少なくない。そこで陶材に対するRGICの接着強さを検討した。被着体としてはグレイズ処理した陶材を用い、シラン処理を施した。その結果RGICはエナメル質と陶材に対して有意差の無い接着強さを示した。対照として用いた化学重合型レジンはRGIC同様の接着強さを示したが高頻度の被着体破壊を示した。
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