研究概要 |
リンゴ由来ポリフェノーノ成分中のプロシアニジンを実験試料とし,1)ハムスター実験う蝕誘発系におけるう蝕予防効果の確認と,2)歯垢形成酵素(GTF)活性の阻害機構推定に関する実験を遂行中である. 1)に関しては鶴見大学にて現在実施中であり,ゴールデンハムスター(計50匹)に対しS. mutans接種を行い,高スクロース含有飼料による継続飼育を開始している. 各群は未処理対照群の他に実験群としてプロシアニジン群,フッ化ナトリウム群から構成され,実験群では週4回/8週間の試料溶液の歯面洗浄を実施中である.本計画における当初予定通り,飼育終了後は各群のう蝕スコアの算出を行い,統計解析に基づくう蝕予防効果の判定を行う. 2)に関しては東京薬科大学にてS. mutans菌体より精製したGTFを用いた各種in vitro実験を実施中である.本年度は,a)向流クロマトグラフィーによる菌体からのGTFの簡易精製法,b)GTF-プロシアニジン結合反応のSDS-ゲル電気泳動法(SDS-PAGE)による解析方法,c)光学エバネッセント共鳴ミラー法(IAsys)に基づくGTF-プロシアニジン結合反応の解離平衡定数(K_D)算出法,につき検討を行い,各手法をそれぞれ新規に確立した.次年度は当初予定通り,各手法によりGTF-プロシアニジン結合反応の実際的な解析を行い,両者間結合に基づくGTF活性阻害機構の詳細を明らかにする.
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