研究概要 |
小児歯科臨床で、一般に使用されている回転切削器具は騒音、振動および発熱などの問題があり、過大な恐怖心を与えることなど精神発達途上の小児への対応には考慮する必要がある.また、実際に回転切削が歯の硬組織や歯髄におよぼす傷害なども多くの報告がなされており、様々な問題点を解決するために、回転切削以外の切削法として、以前より噴射切削装置の研究がなされてきた. 噴射切削装置による窩洞形成時、噴射時間、噴射距離、および噴射角度等それぞれの任意の条件下で、エナメル質、象牙質に、噴射粒子の粒径の選択、噴射圧の変化がどのように影響し、切削形成された窩洞の辺縁部および窩底部における形態学的特徴はどのように変化するか、基礎的な検討を行った. 結果:1.同じ粒子径の噴射粒子で同じ噴射圧を使用した場合は1条件(160psi,50μm,5秒間切削)を除いては、噴射時間が長いものほど深く切削されていた. 2.各の条件下で形成された窩洞は、U宇型とV字型の2種類に分類される. 3.噴射切削によって窩洞辺縁には、特徴的なアルミナベベルの形成が認められた. 4.成形窩洞の深度と窩洞の開放角には相乗的な関係が示唆された.
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