研究分担者 |
新井 英雄 岡山大学, 歯学部附属病院, 講師 (70222718)
明貝 文夫 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (50263588)
前田 博史 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (00274001)
峯柴 史 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (90346461)
成石 浩司 岡山大学, 歯学部附属病院, 助手 (00346446)
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研究概要 |
末梢血幹細胞移植(PBSCT)患者をはじめとする易感染性宿主の口腔領域の感染コントロールは,全身への感染波及を防ぐためにも重要な課題である。歯周炎などの感染はできるだけ除去することが望ましいが,安易な治療は逆に細菌の血管系への暴露を引き起こす可能性がある。 本研究は易感染性宿主の口腔内感染コントロール方法確立のために,(1)口腔内感染量スクリーニング項目の設定,(2)易感染性と口腔内感染症の進行の評価,(3)口腔由来の病巣感染を調べるための細菌検査方法確立,を目的とした。 (1)歯科治療計画作成のための診査項目として,歯周ポケット測定(現在までの感染量の積算の評価),細菌量検査(現在での感染量の評価),白血球数と機能(免疫能の評価)が最小限必要であることが分かった。 (2)12名のPBSCT患者を被験者として,免疫抑制前・抑制時・抑制後の易感染性と歯周疾患の実態調査を行った。免疫抑制時の白血球数は抑制前に比べ減少していた。この減少の程度は個体間で値を異にするものであり、個体差あるいは免疫抑制方法の違いが関与していると考える。また、免疫抑制時において複数の歯周ポケット内から歯周病細菌を検出することができた。免疫抑制時における歯周組織検査値(歯周ポケット測定検査、プロービング時出血検査、歯肉腫脹検査等)は抑制前のものに比べ差異はなかった。 (3)血液中の口腔内細菌を検出するためにサイバーグリーンを用いた定量PCR方法を確立した。この方法により培養を待たずに細菌の同定とその細菌量を把握することが可能になった。
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