研究概要 |
本研究の概要は,咬合性外傷によるメカニカルストレスが歯槽骨という局所での骨吸収を起こしやすい条件を設定し,そこに炎症反応が加わることによって局所での骨代謝バランスが崩れ速やかな骨吸収に転じるという仮説を設定し,本仮説が立証された後,免疫担当細胞や,線維芽細胞など間葉系細胞の,産生するサイトカインバランスを崩すことによって、歯周炎と咬合性外傷の併発による歯槽骨吸収を抑制する手段を検索することである。現在,本研究の進行状況としては非炎症下でのメカニカルストレスによってIGF-1が前破骨細胞のmigrationを引き起こすかを検討するために,前破骨細胞様細胞の遊走活性の測定条件設定をboiden chemotaxis multi-chamber plateを用いて検討している。また,発炎性因子が骨髄由来細胞を破骨細胞に分化誘導するかどうかを知る目的で,骨髄由来monocyteや歯肉線維芽細胞をlipopolysaccharide(LPS)で刺激し,その結果産生されるIL-1β,IL-6,IL-8,IL-12,IL-18,TNF-αやIFN-γの産生量を測定し,それぞれが破骨細胞形成に及ぼす影響を検討している。現在monocyteや線維芽細胞をLPSで刺激するとIL-1βやIL-6の産生がみとめられている。今後,更なる検討を続け,初期の目標を達成したい。
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