研究概要 |
本研究の概要は,咬合性外傷によるメカニカルストレスが歯槽骨という局所での骨吸収を起こしやすい条件を設定し,そこに炎症反応が加わることによって局所での骨代謝バランスが崩れ速やかな骨吸収に転じるという仮説を設定し,本仮説が立証された後,免疫担当細胞や,線維芽細胞など間葉系細胞の,産生するサイトカインバランスを崩すことによって,歯周炎と咬合性外傷の併発による歯槽骨吸収を抑制する手段を検索することである。現在,本研究の進行状況としては非炎症下でのメカニカルストレスによって血流障害が生じる結果,局所的な低酸素状況が起こる仮定を設定し,低酸素状況下における歯肉線維芽細胞のサイトカイン産生について検討を行っている。その中で,低酸素状況では歯肉線維芽細胞は通常酸素分圧と比較してIL-1β産が促進し,また,低酸素状況から通常酸素分圧下に環境を変化させることによって初炎性因子であるプロスタグランディンE_2の産生量が促進することが明らかとなってきた。 現在,以上の結果についてさらに精査を行い,来年度に研究成果をまとめる予定である。
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