研究概要 |
非蛋白質構成アミノ酸として光学活性α-アルキル化α,α-ジ置換アミノ酸を独自な方法で不斉合成し、そのホモおよびヘテロペプチドを合成して、溶液および結晶状態でのコンフォメーション解析を行った。特に、14年度はアミノ酸として光学活性環状α,α-ジ置換アミノ酸とキラルなジペンチルグリシンの不斉合成とそのペプチドについて研究を行った。 1.光学活性環状α,α-ジ置換アミノ酸とキラルなジペンチルグリシンの不斉合成とそのペプチド合成:酒石酸より誘導したジョード体にてマロン酸ジエステルをアルキル化して、その後、クルティウス転位反応により光学活性環状α,α-ジ置換アミノ酸を不斉合成した。また、キラルなジペンチルグリシンの独自な不斉合成を行った。さらに合成した光学活性環状α,α-ジ置換アミノ酸を含有するホモペプチド、また、アミノイソブタン酸(Aib)、ジエチルグリシン(Deg)の中にこのアミノ酸を導入したヘテロペプチドを液相法により合成した。しかし、キラルなジペンチルグリシンを有するペプチドの合成は困難であった。 2.光学活性環状α,α-ジ置換アミノ酸を含有するペプチドの溶液および結晶状態での配座解析:合成したペプチドの溶液状態でのコンフォメーションをCD、FT-IR、H-NMR(DMSO、TEMPO添加実験、温度変化)などの機器を利用することにより行った。また、結晶状態でのコンフォメーションをX-線結晶解析を用いて行った。結果、これらのペプチドは、ヘリカル構造をとることが示唆された。
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