研究課題/領域番号 |
13672226
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
石倉 稔 北海道医療大学, 薬学部, 教授 (10146011)
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研究分担者 |
蓮沼 美也子 北海道医療大学, 薬学部, 助手 (50364253)
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キーワード | ビシクロラクタム / ABH / 付加反応 / メタセシス / インドリルボレート / クロスカップリング / インドールアルカロイド |
研究概要 |
本年度は、以下の点について研究を進めた。 I ビシクロラクタム(2-azabicyclo[2.2.1]hept-5-en-3-one ; ABH)の反応性の解明 ABHはアミド結合および二重結合を有する高い歪みを内蔵する化合物であり、アミド結合と二重結合との分子軌道間での遠隔相互作用が可能であるから、多官能性合成素子としての利用に期待ができる。先ず、二重結合部位への付加反応における立体および位置選択性について検討を行った。ジアゾメタン、ナイトレン付加によるシクロプロパンおよびアジリジン環の導入を検討したが、いずれも立体選択的にエキソ方向から進行することが明らかとなった。過酸化物を用いたエポキシ化反応はこれまでエキソおよびエンド方向から進行すると報告されていたが、我々の研究ではエキソ体のみを得た。特に、ABHの窒素上に電子供与性基を有する場合に高い反応性を示すことを明らかとできた。 オレフィンとのメタセシス反応への応用も検討した。この際、ABHの開環方向に基づき2種の異性体の生成が考えられるが、本反応における位置選択性について検討を行った。ABHの窒素上に電子供与性基としてトリアルキルシリル基を有する場合に高い選択性を示すことを明らかとできた。これらの結果は、アミド結合と二重結合との分子軌道間での遠隔相互作用に基づくものと考えられることから、今後さらに検討を進める。 II インドールアルカロイドの合成 これまで、インドリルボレートを用いるインドール誘導体の合成法の開発を行ってきた。本年度は、タンデム型クロスカップリング反応を用いるピリドカルバゾールおよびストリクノス型インドールアルカロイドの合成を目的とした。その結果、ウレイン骨格を有するインドール化合物の新規合成法を開発できた。
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