研究課題/領域番号 |
13672230
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
化学系薬学
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
橘高 敦史 帝京大学, 薬学部, 助教授 (00214833)
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研究分担者 |
齋藤 望 帝京大学, 薬学部, 助手 (80349258)
須原 義智 神戸薬科大学, 衛生化学研究室, 講師 (30297171)
藤島 利江 帝京大学, 薬学部, 講師 (90286980)
杉山 亨 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (40242036)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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キーワード | RecA蛋白 / 遺伝子組換え酵素 / オリゴヌクレオチド / シッフ塩基 / NFκB / 核内受容体 / 活性型ビタミンD_3 / スーパーアゴニスト |
研究概要 |
1.転写因子NFκBのDNA結合配列中のTをチミジンの酸化成績体である5-ホルミルウリジン(X)と置換し、NFκBが極めて結合しにくくなる位置を特定した。 2.大腸菌の遺伝子組換え酵素RecAを利用して、ラジカルを発生可能な修飾塩基を含む任意の塩基配列のオリゴヌクレオチドを標的遺伝子まで輸送し、次いで相補的対合を形成するために、まず、RecAのDNA結合部位に輸送すべきオリゴヌクレオチドを安定に結合させる検討を行った。RecAのDNA結合部位にリジン残基が一つ存在することに着目し、X含有オリゴヌクレオチドとのシッフ塩基形成が適用できると考えた。モノマーレベルでは水中で安定に生成しないシッフ塩基の形成が、オリゴマーレベルでは可能であることを立証した。 RecAのDNA結合部位であるループL2部位に相当する20アミノ酸残基からなるオリゴペプチド(FECO)と、リジンをアルギニンに変えた変異体(K6R)をFmoc法により固相合成した。X含有オリゴヌクレオチドはジオール体として固相合成した後、過ヨウ素酸酸化によりホルミル体に導いた。各合成ペプチドと天然DNA(dT)_<21>及びX含有オリゴヌクレオチドとの結合をCDスペクトルにより調べたところ、ペプチドのコンホメーションがDNAの添加によってランダムコイルからβ-シートに変化し、リジンをアルギニンに変えてもDNA結合活性は保持されることが確かめられた。しかし、その結合様式には大きな違いがあった。すなわち反応生成物をaggregation assayにより調べたところ、Xとリジンが共存する場合にのみ生成物の凝集が起こることが明らかになった。また、ゲル電気泳動法による解析では、Xとリジンが共存する場合の生成物は、泳動中でも安定であることが判明した。要となるシッフ塩基の形成反応は、モノマー同士の場合と異なり、水溶液中でもかなり効率よく進行し、RecA蛋白によるオリゴヌクレオチドの標的遺伝子までの輸送に有効だと考えられる。 3.リガンド依存性転写因子であるビタミンD受容体(VDR)は、骨形成、細胞の分化誘導に深く関わる細胞質と核に局在するタンパクである。VDRの最強のアゴニストは活性型ビタミンD_3であるが、今回天然体を上回る活性型ビタミンD_3誘導体を複数見出し、それらの生物活性を評価した。
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