研究概要 |
不斉補助基として用いる(R)-2-(1-アミノエチル)フェノールと無水グルタル酸を縮合してイミド体とし、vitrideによる部分還元を行い、三環性N-アシル-N,O-アセタールを単一の成績体として得た。三環性N,O-アセタールに四塩化チタン及びアリルトリメチルシランを作用させるとアシルイミニウムイオンが生成し、不斉補助基のベンジル水素がイミニウムC=N結合とのA^<1,3>ひずみを避けたコンホメーションをとることにより、ジアステレオ選択的にR-アリル化体が優先的に生成した。次いで側鎖変換により調製した2-ピペリジル酢酸エステル誘導体に立体選択的アリル化を行い、分子内還元的アミノ化を経てstellettamide類の共通フラグメントであるアミノメチルインドリジジン誘導体を得た。 次にファルネソールより、stellettamide Aに相当するトリエンカルボン酸を合成し、先に合成したアミノメチルインドリジジンとアミドカップリングを経てstellettamide Aの最初の天然型エナンチオマーの合成が達成された。またゲラニオールより導かれた(6S)-トリエンカルボン酸とアミノメチルインドリジジンとをアミド結合してstellettamide B提出式を合成したが,天然物と一致しなかった。一方(6R)-配置を有するトリエンカルボン酸とのアミド化により合成した1S,4S,8aR,6"R体は天然(-)-stellettamide Bと一致し、stellettamide Bの最初の全合成を達成するとともに、提出相対位置を訂正及び絶対配置の確定を行うことができた。さらにstellettamide Cがファルネソールより導いたトリエンカルボン酸との結合により合成された。現在天然品と比較すべくスペクトル,物性データを取得中である。 以上本課題研究では当初予定していた目標が達成された。また本課題研究で用いられた不斉補助基は光学活性オキシムエーテルへの炭素-炭素結合形成反応により効率良く合成できることが判明し、この一般的な適用についても併せて行った。
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