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2002 年度 実績報告書

水を溶媒とした無保護アミノ酸の反応の開発と麦角アルカロイド類の短行程合成への応用

研究課題

研究課題/領域番号 13672237
研究機関東邦大学

研究代表者

横山 祐作  東邦大学, 薬学部, 助教授 (10095325)

キーワードHeck反応 / アミノ酸 / パラジウム触媒 / ラセミ化 / アリル化 / ビニル化 / 水溶液 / リゼルギン酸
研究概要

1 無保護アミノ酸の水を溶媒とした実用的な合成反応の開発を目指し,アミノ酸類の直接ブロム化を検討した。アミノ基を保護する目的で60%以上の硫酸溶液にフェニルアラニンやチロシンのような芳香族アミノ酸を溶解させておき、NaBrO_3あるいはブロモイソシアヌル酸ナトリウムをブロム化剤として用いた。その結果、フェニルアラニンからは、オルトあるいはパラモノブロム体、オルト、パラジブロム体がそれぞれ最高31,58,6%の収率で得られた。また、チロシンからは、2当量のブロムイソシアヌル酸ナトリウムを用いた場合、79%の収率で3,5-ジブロモチロシンが得られた。ここで得られた生成物はいずれも全くラセミ化していなかった。
2 我々は,パラジウム触媒存在下,無保護アミノ酸である4-Bromotryptophan(A)とAllylalcoholとの反応において塩基性条件下では4位へのビニル化反応(Heck反応)が,中性条件ではN-Allyl化が進行することを既に見いだしている[Tetrahedron Lett.,40,7803-7806(1999)].この選択性を利用して、麦角アルカロイドであるリゼルギン酸の合成を試みた。Aに種々のオレフィンを塩基性条件下パラジウム触媒を用いて反応させると、4-ビニル体が生成し、これを用いて10員環化合物への閉環反応を試みたが成功しなかった。4-Bromo-1-buteneとAの反応では、選択的にN-アルキル化が進行した。しかし、この化合物の10員環化合物への閉環反応も同様に成功しなかった。現在、Aを保護したルートでのリゼルギン酸の合成を試みているところである。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Yuusaku Yokoyama: "Does Water Suppress the Racemization and Decomposition of Amino Acids?"J. Chem. Soc, Perkin Trans.1. 1431-1434 (2001)

  • [文献書誌] Yuusaku Yokoyama: "N-Boc-4-bromo-N-methyl-1-tosyl-D-tryptophan Methyl Ester, A Key Intermediate in the Synthesis of Optically Active....."Heterocycles. 55(4). 653-659 (2001)

  • [文献書誌] Yuusaku Yokoyama: "Synthetic Studies on Indoles and Related Compounds 50. Improved Synthesis of 7,9-Didecarboxymethoxathine"Heterocycles. 56. 515-518 (2002)

  • [文献書誌] Yuusaku Yokoyama: "A Study for Palladium-Catalyzed Chemoselective Vinylation at C-3 Position of 4-Bromo-1-Tosylindole"Heterocycles. 56. 525-529 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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