研究概要 |
1 無保護アミノ酸の水を溶媒とした実用的な合成反応の開発を目指し,アミノ酸類の直接ブロム化を前年に引き続き検討した。アミノ基を保護する目的で60%以上の硫酸溶液にフェニルグリシンを溶解させておき、ブロモイソシアヌル酸ナトリウムをブロム化剤として用いた。その結果、メタブロモフェニルグリシンが主生成物として単離された。その他オルト体パラ体も観測された。 2 ベンズ[f]トリプトファンは、インドール-2,3-ジオキシゲナーゼ阻害剤として知られている。我々は、インドールとセリンを反応させた後、アシラーゼで分割を行うことにより2行程で光学活性トリプトファン誘導体を得ることに成功している。この反応を利用して3種のベンズ[e],[f],[g]インドールより、それぞれ対応する光学活性ベンズトリプトファン3種を合成することに成功した。 3 光学活性リゼルギン酸合成の良い中間体である(R)-N-メチル-N-カルボベンジロキシ-1-トシルトリプトファンメチルエステルの効率的な合成法を、我々の開発した合成法で容易に得られるdl-N-アセチルトリプトファンから3行程で得ることに成功した。
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