研究課題
基盤研究(C)
1.私達が開発した硫酸化チロシン含有ペプチドの簡便な固相合成法を基盤におき、本合成法の大分子型硫酸化ペプチドへの展開をはかった。i)固相樹脂上でのセグメント縮合によりヒト・ビッグガストリンII(34残基)を合成した。ii)硫酸化チロシン含有ペプチドの簡便な固相合成法とチオエステルセグメント縮合法を組み合わせたアプローチにより、ヒト・コレシストキニン(CCK)-58(58残基)を合成し、CCK-33と同等の生理作用を持つことを明らかにした。2.硫酸化チロシンを含むペプチド性貝毒:α-コノトキシン(PnIA、PnIB、EpI)を、硫酸化チロシンを損傷しないジスルフィド架橋反応を採用して合成した。合成した硫酸化α-コノトキシンのアセチルコリン受容体に対するアンタゴニスト活性を検討し、硫酸エステル基はこれらのペプチドの活性発現に決定的な寄与をしていないことを示した。また、この合成過程で、ジスルフィド架橋様式が天然型と異なるアイソマー(非硫酸化体)が、微弱ではあるが確実なアンタゴニスト作用をもつことを新たに明らかにした。3.硫酸化チロシン含有ペプチドの簡便な固相合成法を用いて、種々の分子サイズのラットCCKペプチドを化学合成した。合成ペプチドをマーカーとして用い、プレプロCCK発現系から産生されるCCK分子種の同定を行い、細胞特異的なプロセッシング機構を検討した。4.血小板表面に存在する糖タンパク質複合体は、複合体を構成するGpIbのαサブユニット中の硫酸化チロシンクラスターを介してVon Willebrand factor (vWF)やトロンビンと結合する。この相互作用を詳細に検討するため、3残基の硫酸化チロシンを含むGpIbα(266-287)の部分とともに、硫酸エステルの数と位置をスクランブルさせた硫酸化ペプチドを化学合成した。なお、GpIbαのリガンドの一つである第XI因子(FXI)に関して、FXIとGpIbαとの結合はGpIbαの硫酸化チロシンを含むアニオン性クラスター部分は関与せず、GpIbαN末端部のロイシンに富む繰り返し配列を介することがわかった.
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