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2002 年度 実績報告書

光学活性有機アンチモン化合物の合成とその不斉誘導反応への応用

研究課題

研究課題/領域番号 13672242
研究機関北陸大学

研究代表者

栗田 城治  北陸大学, 薬学部, 教授 (80100494)

研究分担者 角澤 直紀  北陸大学, 薬学部, 助手 (20185721)
キーワードアンチモン / Sb-キラル化合物 / C2-軸不斉 / 光学分割 / 不斉配位子 / 不斉誘導反応 / オキサゾリン / BINASb
研究概要

本研究は、これまで全く報告例の無い光学活性有機Sb化合物の一般合成法の確立とその構造化学及びその不斉誘導反応における不斉素子としての活用を目的に行われているものである。以下、平成14年度の成果を概説する。
1.C2-軸不斉を持つ光学活性有機Sb化合物(MASb及びMAPSb)の合成とその不斉配位子能:先に1,1'-ビナフチル骨格からなるSb-Sb系配位子(BINASb;1)の合成とその不斉素子としての評価を一部行ってきた。今回新たに光学活性なSb-N(sp^3)系配位子(MASb;2)及びSb-P系配位子(MAPSb;3)の一般合成法を確立するとともに、これらの不斉素子を活用した不斉誘導反応((1)ケトン類の不斉還元、(2)不斉アルキル化反応、(3)不斉Diels-Alder反応等)を試みた。その結果、1は(2)の、2は(1)の、また、3は(2)と(3)の反応に対して、それぞれ有効な触媒能と不斉誘導能を示すことが明らかになった。
2.オキサゾリン骨格を有するN(sp^2)-Sb系不斉配位子及びその関連化合物の合成とその不斉配位子能:N(sp^2)とSb官能基を併せ持つ光学活性な2配座型不斉配位子、スチバノオキサゾリン類(4)、そのCr(CO)_3-錯体(5)、4のSb原子上にも不斉を持つAMSb類(6)の合成法を確立し、これらの不斉素子を活用した不斉誘導反応(上記(1)〜(3))を試みた。その結果、(1)の反応に関しては5が、(2)の反応に関しては4と6がそれぞれ良い結果を与えることが分かった。しかもこの反応の場合、6は4よりも良い結果を与えることから、オキサゾリジン骨格上の不斉のみならず、Sb上の不斉も不斉誘起能に深く関与していることも判明した。
(1)の反応をBINAP添加のもとに行っても触媒能、不斉誘導能のいずれも示さず、上記のSb不斉素子群はP配位子とは異なった不斉配位子として機能するものと位置付けられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Okajima, S., Yasuike, S., Kakusawa, N., Osada, A., Yamaguchi, K., Seki, H., Kurita, J.: "Synthesis of Sb-chiral organoantimony compounds having intramolecular Sb---N interaction and their separation into optically pure compounds via ortho-palladated benzylamine complexes"J.Organomet.Chem.. 656. 234-242 (2002)

  • [文献書誌] Yasuike, S., Okajima, S., Kurita J.: "Synthesis of optically active organoantimony compounds having an(S)-α-methylbenzyl-dimethylamine group and its evaluation for asymmetric reaction"Chem.Pharm Bull.. 50・10. 1404-1406 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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