研究課題/領域番号 |
13672252
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山下 富義 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (30243041)
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研究分担者 |
西川 元也 京都大学, 薬学研究科, 助手 (40273437)
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キーワード | 遺伝的プログラミング / 遺伝的アルゴリズム / 部分最小ニ乗法 / 消化管吸収 / 吸収予測 / Caco-2細胞 / 溶解度 |
研究概要 |
現在、医薬品開発研究において、医薬品の吸収予測が極めて重要な課題となっており、医薬品の化学構造と吸収特性との相関関係を整理することが必要とされている。本研究では、遺伝的アルゴリズムを構造活性相関研究の分野に導入し、新しい多変量解析プログラムを開発した。吸収の説明変数となり得る構造記述子の中で、必要なものを1、不必要なものを0と仮定することによって、予測に必要な変数セットをバイナリ配列で記述できるように定義した。この配列を最適化するために、遺伝的アルゴリズムと部分最小二乗法を組み合わせたプログラムを開発した。ここでは、定義された遺伝子型に対応するモデルを使って予測回帰係数を計算し、それを遺伝型に対する表現型としながら、遺伝子型の評価を行えるように設計した。さらに、遺伝的アルゴリズムでは、2つの親から2点交叉および遺伝子変異を経て新しい個体を生成させるが、ルーレットホイール法によって親を選択することで、次世代の平均的レベルが向上するようにプログラミングした。本手法の妥当性を検討する目的で、薬物の消化管吸収を支配する重要な因子の一つである水への溶解度に着目し、その予測モデルの構築を試みた。文献から約300化合物の溶解度のデータを集めて解析を行った結果、化学構造の多様性の高いデータセットであるにも関わらず極めて精度の高い溶解度予測モデルを完成することができた。次年度には、現在データを収集しているCaco-2細胞層での透過性のデータを同様の手法により解析し、包括的な吸収予測モデルを構築する。
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