研究概要 |
本研究計画は、Hebbian学習により構築される人工ニューラルネットワークにより、非線形主成分分析、もしくは非線形独立成分解析法に類する非線形要因解析を行うこと、ならびにそれを薬学関連分野のデータ解析に応用することを目的としている。 本年度はまず、非線形要因解析のための非線形Hebbian学習型人工ニューラルネットワーク法(HEP ネットワーク)のアルゴリズムを検討、学習過程に出現する非線形関数の数と種類の検討を行い、より有効なアルゴリズムの開発を行った。我々は、Ojaらのアルゴリズムを改良し、n個(今回はn=3)の動作関数による以下の更新式による学習を試みた。 W_p(t+1)=W_p(t)+εxf_p(x(t)^TW_p(t))diag(sign(c_<pi>(t))) (p=1,2,…,n) そのためにまず、Fortran言語によりHEPネットワークのためのプログラム及び、データの分離問題で、線形主成分分析がかろうじてうまく作用しないような人工データを作成、作成されたHEPネットプログラム及び線形主成分分析、カテゴリカル主成分分析、多次元尺度構成法、Kohonen型自己組織化ニューラルネットワーク(SOM)、5層砂時計型ニューラルネットワーク(HNN)の6種類の分類・要因解析法により検討、HNN、SOM、HEPネットワークの3種でのみ、これらのデータが分離可能であることを確認した。 この他、他種類の非線形統計解析法(loess、GAM等)に関しても予測能力検証過程の検討を行い、ジャックナイフ法、AICが、データ密度に偏りのあるデータに対して、予測性の最適化に関してはやや正しくない結果を与える(AICは元々意図していないのだから当然である)ことを見出した。この目的のためには、全データ数の1/3ほど牽テストデータとするクロスバリデーション法が良好な結果を示しており、現在更に詳細な検討を行っている。
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