研究課題/領域番号 |
13672254
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
勝 孝 岡山大学, 薬学部, 助教授 (40112156)
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研究分担者 |
永松 朝文 岡山大学, 薬学部, 助教授 (40155966)
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キーワード | 分子認識化学 / 人工レセプター / イオン選択性電極 / ホモオキサカリックスアレーン誘導体 / カリックスアレーン誘導体 / イオノフォア / セロトニン / 有機アンモニウムイオン |
研究概要 |
今年度は、特に、生理活性物質を検出する電気化学センサーを開発する上で最も重要となる「特定の生理活性物質を認識する人工レセプターの探索」を中心に研究を進めた。特に、生体アミンの一つ、ドーパミンを認識する人工レセプターとしてホモオキサカリックス[3]アレーン誘導体が見出されていたことから、今回、様々な置換基をもつホモオキサカリックス【3】アレーン誘導体を用いて生体アミンに対する応答を比較検討した。その結果、誘導体の一つが生体アミンのなかでセロトニンに対して強く応答することを見出した。この誘導体の疎水性キャビティーは外側に向けて広がっており、分子サイズの大きいセロトニンもトラップできたものと考えられた。生体アミンは細胞内pHが細胞外pHよりも低い条件下では、細胞内に取り込まれることが知られている。そこで、人工膜リポソームを用いてセロトニンのリポソーム内への取り込みを、今回作製した電極を用いて測定した。セロトニンは、卵黄レシチン単独及び卵黄レシチン・コレステロール混合系どちらの場合でもリポソーム内へ取り込まれたが、卵黄レシチン単独の系のほうが取り込み量が多かった。 また、ホモオキサカリックス[3]アレーンとともに幅広く研究が進められているカリックスアレーン誘導体を用いて、環サイズを変えたときのイオン選択性の変化を系統的に検討した。その結果、カリックス【6】アレーン誘導体では、無機イオンではタリウムイオン、有機アンモニウムイオンではメチルアンモニウムあるいはエチルアンモニウムに応答した。環サイズが大きくなったカリックス[8]アレーン誘導体では、より大きく複雑な構造をもつ有機アンモニウムイオン(ノルエフェドリンなど)に応答することが見出された。 その他、センサー法を膜作用性抗菌剤の作用機構解明のためにも応用した。
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