研究課題/領域番号 |
13672254
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理系薬学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
勝 孝 岡山大学, 薬学部, 助教授 (40112156)
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研究分担者 |
永松 朝文 岡山大学, 薬学部, 助教授 (40155966)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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キーワード | イオン選択性電極 / 分子認識化学 / 分子レセプター / ホモオキサカリックス[3]アレーン誘導体 / カリックスアレーン誘導体 / 膜透過 / 細菌外膜 / ポリアミン |
研究概要 |
本研究は電気化学センサーのなかで「イオンセンサー」を中心に進められた。イオンセンサーはこれまで無機イオンの検出を中心に優れた「イオノフォア」の開発を目指して研究が進められてきた。私達は、これを有機イオンの検出に展開させるために、特に、「分子レセプター」と呼ばれる有機イオンの親水性基と疎水性基の両方を認識するイオノフォアの開発に関心をもち、研究を進めた。特に、生体アミンの一つ、ドーパミンを認識する分子レセプターとしてホモオキサカリックス[3]アレーン誘導体が見出されていたことから、様々な置換基をもつホモオキサカリックス[3]アレーン誘導体を用いて生体アミンに対する認識能を比較検討した。その結果、誘導体の一つが生体アミンのなかでセロトニンに対して強く応答することを見出した。この誘導体の疎水性キャビティーは外側に向けて広がっており、分子サイズの大きいセロトニンもトラップできたものと考えられた。また、ホモオキサカリックス[3]アレーンとともに幅広く研究が進められているカリックスアレーン誘導体を用いて、環サイズを変えたときのイオン選択性の変化を系統的に検討した。その結果、カリックス[6]アレーン誘導体では、メチルアンモニウムあるいはエチルアンモニウムに応答し、環サイズが大きくなったカリックス[8]アレーン誘導体では、より大きく複雑な有機アンモニウムイオン(ノルエフェドリンなど)に応答することが見出された。 その他、イオン電極法により大腸菌外膜に対するポリアミンの作用の解析を進め、数個のアミノ基及び疎水性基をもつ薬物(例えばメトクトラミンなど)が大腸菌外膜の透過性を増大することが見出された。また、この薬物は外膜からリポ多糖を遊離させるために透過性が増大することが明らかにされた。
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