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2001 年度 実績報告書

Na^+輸送性V-ATPaseイオン通路部分Voの構造と機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 13672272
研究機関室蘭工業大学

研究代表者

柿沼 喜己  室蘭工業大学, 工学部, 教授 (80134394)

キーワードV-ATPase / ナトリウム / イオン / 腸内連鎖球菌
研究概要

真核生物V-ATPaseに類似している腸内連鎖球菌Na+-ATPaseのイオン通路部分VOは、NtpKとNtpIの二種類のサブユニットから構成されている。イオン輸送におけるNtpIの働きを明らかにするために、その遺伝子相補系の構築し、変異導入による個々の重要なアミノ酸残基の同定を行なった。
V-ATPaseや同じイオン輸送性の回転モーター分子、F-ATPase、などのイオン通路を形成するサブユニットには、共通してその膜貫通部分にアルギニン残基が保存され、イオン輸送に決定的な働きを担うといわれている。NtpI遺伝子の機能相補系を用いた部位特異的変異導入の結果、本酵素ではNtpI Arg573が唯一膜貫通部分(7つあると考えられる膜貫通ドメインの6番目の膜貫通部分)に存在するアルギニン残基であることがわかった。Arg573Glu, Arg573Leuなどの置換変異体では、まったく活性が見られず、Arg573が必須であることがわかった。
Arg573Lys変異体では、部分的ではあるがNa+輸送活性が残存した。本酵素のユニークな特徴として、そのATP加水分解活性のNa+依存性に負の共同性が見られることである。この性質は回転ローターの回転に関わる特徴と推定されており、Arg573Lysの部分欠損株ではこのNa+依存性の負の共同性が著しく低下した。Arg573が、間接的証拠ではあるものの、ロータの回転に密接に関わる残基であることが、世界ではじめて示された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Kawano, M., Abuki, R., Igarashi, K., and Kakinuma, Y.: "Potassium uptake with low affinity and high rate in Enterococcus hirae at alkaline pH"Archives of Microbiology. 175. 41-45 (2001)

  • [文献書誌] Murata, T., Kawano, M., Igarashi, K., Yamato, I., and Kakinuma, Y.: "Catalytic properties of Na+-translocating V-ATPase in Enterococcus hirae"Biochim Biophys Acta. 1505. 75-81 (2001)

  • [文献書誌] Murata, T., Kakinuma, Y., and Yamato, I.: "ATP-dependent affinity change of Na+ binding sites of V-ATPase in Enterococcus hirae"Journal of Biological Chemistry. 276. 48337-48340 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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