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2001 年度 実績報告書

TGFβの情報伝達分子Smadタンパクの分解によるシグナル伝達の制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 13672294
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

林 秀敏  名古屋市立大学, 薬学部, 助教授 (80198853)

研究分担者 小野嵜 菊夫  名古屋市立大学, 薬学部, 教授 (20101313)
キーワードTGFβ / smad3 / ユビキチンリカーゼ / プロテアソーム / タンパク分解 / smurf / Roc1
研究概要

TGFβは細胞の増殖や分化、細胞外マトリックスの産生促進するなど、多岐にわたる生物活性を有するサイトカインの一つである。TGFβ刺激で活性化されたTβRIにより、細胞質のsmad2/Smad3がリン酸化され、Smad4とヘテロマーを形成し核内に移行し、特異的な遺伝子の転写を活性化されることが明らかになっている。しかし、これらの分子の安定性については未だ不明な点が多い。今回、我々はSmad3に注目してその分解について検討した。ヒト肝癌細胞であるHepG2細胞にSmad3を過剰発現させたところ、プロテアソーム阻害剤であるMG132存在下で細胞内での発現量が増加することがわかった。また、内在性のSmad3でも、MG132による安定化が確認された。HA-ubiquitinとco-transfectすると、TGFβ刺激に関係なくユビキチン化されたSmad3(Ub-Smad3)が観察され、リン酸化部位をAlaに置換した変異体(Smad3(3SA))でもユビキチン化されることが見出された。また、TGFβ刺激で核内ではほとんど観察されなかったSmad3及び、Ub-Smad3がMG132存在下でみられた。以上のことから、Smad3は細胞質、及び核内でユビキチン化され、それぞれ異なった機序で分解していることが示唆された。
一方、IκBやβ-cateninなどのユビキチン化、それに続く分解を担うユビキチン化系酵素群、SCFの構成成分であるRoc1のSmad3の分解への関与がごく最近報告されているが、Roc1のdominant negative体によるSmad3の安定性の変化が見られないなど、今回の検討では確認できなかった。また、Smad1,Smad2やSmad7などの分解への関与が示されているsmurf1やsmurf2といった新規ユビキチンリガーゼによるSmad3のユビキチン化や分解への関与もsmurf1/2との結合部位と考えられるSmad3のアミノ酸を置換させても全く影響を受けなかったことから否定された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] T.Hattori, S.Itoh, H.Hayashi, T.Chiba, T.Takii, K.Yoshizaki, K.Onozaki: "CHOP, a basic leucine zipper transcriptional factor, contributes to the antiproliferative effect of IL-1 on A375 human melanoma cells through augmenting transcription of IL-6"Journal of Interferon and Cytokine Research. 21(5). 323-332 (2001)

  • [文献書誌] T.Hattori, H Hayashi, T.Chiba, T.Taki, K.Onozaki: "Activation of two distinct anti-proliferative pathways, apoptosis and p38 MAP kinase-dependent cell cycle arrest, by tumor necrosis factor in human melanoma cell line A375"European Cytokine Network. 12(2). 244-252 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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