キーワード | パーキンソン様症状 / 黒質ドパミン神経細胞 / 1-methyll-1,2,3,4-tetrahydroisoquinoline / 1,2,3,4-tetrahydroisoquinoline / 1,3-Dimethyl-2-(2-propynyl)-1,2,3,4-tetrahdyroisoquinoline |
研究概要 |
(1)1,3-Dimethyl-2-(2-propynyl)-1,2,3,4-tetrahdyroisoquinoline(1,3DiMeTIQ:1.0mM、1.5mM、2.0mM)の単独では濃度依存的にPC-12細死を認めた。 (2)(1R,3S)1,3-DiMeTIQと(1S,3R)1,3-DiMeTIQ(1.5mM、2.0mM)は濃度依存的にMPP+(2mM)のPC-12細胞死を抑制した。1,3-DiMeTIQはメチル基の立体化学がcis配置をとる(1R,3S)1,3-DiMeTIQと(1S,3R)1,3-DiMeTIQの方がtrans配置をとる(1R,3R)1,3-DiMeTIQ、(1S,3S)1,3-DiMeTIQより強い神経細胞死の保護作用を認めた。MPP+(2mM)単独でPC-12細胞の84-95%の細胞死を観察した。以上の結果から(1R,3S)1,3-DiMeTIQと(1S,3R)1,3-DiMeTIQはMPP+によるPC-12細胞死を保護する作用を持つことを明らかにした。 (3)1,2,3,4-tetrahydroisoquinoline(TIQ)誘発によるパーキンソン様症状モデルマウスを用いて(R)- and (S)-1-methyll-1,2,3,4-tetrahydroisoquinolines(1-MeTIQ)の行動・神経化学検討を検討した。(R)-1-MeTIQ(80mg/kg)の4日間連続投与により、TIQ誘発パーキンソン様症状(bradykinesia)を抑制した。(R)-1-MeTIQはTIQによるtyrosine hydroxylase陽性の黒質ドパミン細胞死の保護作用を認めた。(R)-1-MeTIQはTIQはTIQ(80mg/kg)による線条体ドパミン量の減少作用を抑制した。これらの結果から、(R)-1-MeTIQはTIQ誘発パーキンソン様症状モデルマウスの保護作用を示唆した。
|