研究課題/領域番号 |
13672301
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研究機関 | 昭和薬科大学 |
研究代表者 |
田口 恭治 昭和薬科大学, 薬学部, 助教授 (70171593)
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研究分担者 |
斉藤 俊昭 昭和薬科大学, 薬学部, 講師 (00286882)
堀口 よし江 昭和薬科大学, 薬学部, 助教授 (70190254)
佐野 武弘 昭和薬科大学, 薬学部, 教授 (00077520)
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キーワード | 抗パーキンソン病治療薬 / 神経細胞保護作用 / 1-methyl-1,2,3,4-tetrahydroisoquinoline / 1,2,3,4-tetrahydroisoquinoline / ドパミン / 1-benzyl-1,2,3,4-tetrahydroisoquinoline / C57BL / 6Nマウス |
研究概要 |
TIQ(80、160、240mg/kg)を雄性C57BL/6Nマウスに1日2回、4日間腹腔内投与した。また,これらの化合物に対して(R)-あるいは(S)-1-MeTIQを1日2回、4日間、腹腔内投与により前投与した。最終投与後3日あるいは10日目において、dopamine transporter(DAT)の放射性リガンドである[^<11>C]CIT-FP、[^<11>C]CFTあるいはdopamine D2 receptor (D2R)の放射性リガンドである[^3H]racloprideを静脈内投与し、30分後に線条体における放射活性を測定した。TIQ(80mgkg)は[^<11>C]CIT-FPあるいは[^<11>C]CFTのDATに対する結合脳を有意に変化を認めなかった。しかし、10日間のTIQ連続投与のみにおいて有意な[^<11>C]CFT-DAT結合能の低下が認められた。TIQ(160mg/kgおよび240mg/kg)を投与した場合に[^<11>C]CIT-FP-DAT結合能の低下がみられた。MPTP投与群では最終投与3日目において[^3H]racloprideのD2Rに対する結合能が有意に増加したが、TIQ投与群ではわずかな低下傾向が認められた。TIQに対して(R)-あるいは(S)-1-MeTIQを前投与した場合に結合能を有意に低下させた。これらの結果から高用量のTIQはドパミン神経細胞死が引き起こされたことが示唆され、(R)-あるいは(S)-1-MeTIQの神経保護作用は立体化学的に作用が異なっていることが示唆された。 BnTIQ(80mg/kg)の1日2回、4日間の反復投与は,線条体における[^<11>C]CFT-DAT結合能に影響を及ぼさなかった。TIQの代謝物と推測される2-MeTIQ投与群にも結合能の低下傾向が見られたが、有意差は認められなかった。1-BnTIQは[^<11>C]CFT-DAT結合能に対して影響を及ぼさなかった。1-BnTIQはDAT遮断薬のGBR12909により[^<11>C]CFTの結合を低下させたときにおいても[^<11>C]racloprideのD2Rへの結合を変化させなかった。1-BnTIQは投与30分後に[^<11>C]radlopride結合をわずかに低下させ、1-MeTIQ(40mg/kg)前投与において(S)-1-MeTIQは[^<11>C]raclopride結合を低下させたのに対して(R)-1-MeTIQの作用は少なかった。これらの結果から1-BnTIQはTIQと類似したドパミン神経細胞死を誘発すると考えられるが、1-BnTIQのパーキンソン病様症状の誘発作用は弱いことが示された。
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