研究課題/領域番号 |
13672310
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 北陸大学 |
研究代表者 |
古林 伸二郎 北陸大学, 薬学部, 助教授 (10186744)
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研究分担者 |
堀内 正公 熊本大学, 医学部, 教授 (10117377)
HAGINO Nobuyoshi The University of Texas Health Science Center at San Antonio, Department of Cellular and Structural Biology, Professor
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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キーワード | Advanced Glycation End Products / カルボキシメチルリジン / 血管新生 / 脈絡膜 / 腫瘍壊死因子-alpha / 血管内皮増殖因子 / Tetrandrine / Fangchinoline |
研究概要 |
メイラード反応後期生産物(AGE)のひとつであるN^ε-(Carboxymethyl)lysine(CML)による培養脈絡膜の血管新生作用を加齢ラットとストレプトゾトシン-糖尿病ラットを用いて比較検討した。 1.フィフリンゲル中で培養した脈絡膜が突起構造物を伸展させ、その構成細胞は血管内皮細胞のマーカーであるCD34の抗体に陽性反応を示した。この構造物は時折腔を形成していた。加齢ラットの培養脈絡膜が若齢ラットに比べ突起構造物(血管新生のマーカー)の数を著しく促進し、その作用を抗CML抗体(6D12)が中和した。この中和反応は血管内皮増殖因子(VEGF)や腫瘍壊死因子(TNF)-alphaの抗体の作用と平行した。以上から加齢がCMLを蓄積させ、生成するVEGFやTNF-alphaの作用を介して脈絡膜の血管新生を促進することを示唆できた。 2.糖尿病発症初期ラットの脈絡膜組織や血清は培養脈絡膜の突起構造物の数を増加させた。糖尿病進行期ラットの培養脈絡膜は発症初期より著しく突起構造物の数を増大させ、この亢進活性をCML抗体が完全に中和した。この中和作用はTNF-alphaやVEGFの抗体の作用と平行した。発症進行期ラットの血清はCMLとは逆に構造物の数を減少させた。以上からCMLが糖尿病の発症経過に伴い脈絡膜に蓄積するが、発症進行期の血清では抑制因子が生成する事を示唆できた。電位依存性L型Caチャネル(VDLC)阻害薬ニフェジピンが、糖尿病態およびTNF-alphaによる構造物数の増加を共に抑制した。漢方薬粉防巳の主成分Tetrandrine[VDLCとT型Caチャネル(VDTC)阻害薬]も抑制した事から、CMLやTNF-alphaの作用にVDLCやVDTC活性が関与する事を示唆できた。他の主成分FangchinolineはTetrandrineとは異なり糖尿病の高血糖を強力に下降させた事から、CMLの生成に関与すると示唆できた。
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