研究概要 |
細胞外アデノシン三リン酸(ATP)により開口するイオン・チャネル型受容体であるP2X2受容体を発蛍光タンパク質であるEGFPと連結させた複合タンパク質を分子生物学的手法により作製した.PX受容体をコードするcDNAを含むpP2X2-Bluescript II SK(-)プラスミドによりP2X2受容体コード配列を2か所のSacIIサイトで切り出しpEGFP-C1プラスミドに連結し,pP2X2-EGFP-C1プラスミドとした.pP2X2-EGFP-C1よりP2X2-EGFPコード配列をPCRにより複製し,これをpBluescript II SK(-)に連結してpP2X2-EGFP-Bluscript II SK(-)とした.pPX-EGFP-C1をリポフェクトアミン法により哺乳動物株細胞であるMCF-7あるいはC6BU-1に導入し共焦点顕微鏡で観察したところ,蛍光が細胞膜部位に特異的に観察された.また,pP2X2-EGFP-Bluscript II SK(-)によりRNAをin Vitro転写し,これをアフリカツメガエル卵母細胞に注入したところ,ATPにより開口するイオン・チャネルの活性が確認された.このイオン・チャネルのATP感受性はP2X受容体と同等であった.異常のことから,EGFP連結型PX受容体は細胞膜まで清浄にトラフィキングされ,かつ正常な機能を保持しており,細胞内分布等の研究に有用であることが示された.
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