研究課題/領域番号 |
13672328
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
渡辺 淳 日本大学, 薬学部, 教授 (80080175)
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研究分担者 |
鈴木 豊史 日本大学, 薬学部, 助手 (20267115)
伴野 和夫 日本大学, 薬学部, 助教授 (40120513)
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キーワード | リン酸カルシウムセメント / ハイドロキシアパタイト / 徐放性製剤 / 溶出試験 / 体内動態 / 鎮痛薬 / ペンタゾシン / ラット |
研究概要 |
本研究は、患者の状態や病態に適応可能な癌性疼痛管理をより容易にするために、最近注目されているハイドロキシアパタイトを用いて、自己硬化型アパタイトセメント製剤を作製し、癌性疼痛に優れた作用を持つペンタゾシン(PTZ)を含有させた徐放性鎮痛製剤を開発することを目的として研究し、以下の結果を得た。 1)アパタイト製剤からのPTZの溶出をより持続化するための試みとして、アパタイト製剤の硬度とそこからのPTZの溶出を検討した。まず、PTZ含有アパタイト製剤の硬度を調整するため、アパタイト製剤の処方中に種結晶として添加する結晶ハイドロキシアパタイトの量を20から40%に変化させてPTZ含有アパタイト製剤を調製した。種結晶添加量を増加させることによってPTZ含有アパタイト製剤の硬度は4.24から1.58MPaへと減少することを明らかとした。さらに、この種結晶添加量の増加よってアパタイト製剤からのPTZの溶出速度は、197.47から299.71ng/mL/hr^<1/2>へ増加する事を明らかにした。これらによって、アパタイト製剤からのPTZの溶出速度はある程度制御できることを明らかとした。 2)PTZ含有アパタイト製剤をラット背部に皮下投与後のPTZの血中濃度、脳内濃度と鎮痛効果の関係をPTZの皮下注射と比較検討した。この研究ではアパタイト製剤と皮下注射により同量のPTZを投与した時、PTZ含有アパタイト製剤では血中濃度が96時間まで持続することを確認した。その時のMRTは皮下注射の1.8倍となった。また、アパタイト製剤として投与されたPTZの脳内濃度は皮下注射より高くなる傾向があることを明らかとした。また、その鎮痛効果時間は皮下注射の8倍以上持続することも明らかにした。
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