研究課題/領域番号 |
13672330
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研究機関 | 京都薬科大学 |
研究代表者 |
高田 寛治 京都薬科大学, 薬物動態学教室, 教授 (30102106)
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研究分担者 |
吉川 由佳子 京都薬科大学, 薬物動態学教室, 助手 (30278444)
芝田 信人 京都薬科大学, 薬物動態学教室, 助教授 (60319449)
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キーワード | ゲンタマイシン / 自己乳化型製剤 / Labrasol / 低バイオアベイラビリティ / 腸管排泄機構 |
研究概要 |
一般に難吸収性薬物は溶解速であることから、消化管吸収部位において十分な接触面積が得られず、全身循環への移行が減少し、低バイオアベイラビリティ(BA)になると考えられている。一方、BAが低い薬物に関しては、製剤学的修飾を施すことにより、BAを改善する研究が盛んに行われており、その中で、トランスポーターを介する薬物の小腸汲み出し機構が薬物の吸収性に大きな役割を果たしていることが明らかにされつつある。そこで本研究では、難吸収性薬物の代表であるアミノ配糖体抗生物質であるゲンタマイシン(GM)について消化管からの吸収性を改善する製剤設計、およびその腸管汲み出し機構と関連した吸収改善メカニズムの究明を行った。製剤添加物として植物油由来のsaturated polyglycolysed C8-C10(Labrasol)を用い、GMの自己乳化型エマルジョン製剤(SMEDDS)を作成して吸収改善効果をラットにおいて検討したところ、経口投与後のGMのBAがLabrasol非添加製剤に比べて約50〜100倍に増加する処方を見出した。また、Labrasol添加による吸収改善機構を詳細に検討したところ、Labrasolの吸収改善効果はマイクロエマルジョンを形成することによりGMの膜透過性を促進するだけではなく、消化管の漿膜側から粘膜側への透過を抑制する効果、すなわちGMの吸収促進作用と腸管排泄抑制効果の両方を合わせもつことを確認した。さらに、Labrasolは混合成分であることから、有機溶媒による抽出分画を行い、SMEDDSを作成して経口投与したところ、エーテル抽出された分画が最も強いBA上昇作用を有することを明らかにした。
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