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2001 年度 実績報告書

大気浮遊粉粒子状物質の内分泌撹乱作用とその本体

研究課題

研究課題/領域番号 13672342
研究機関金沢大学

研究代表者

木津 良一  金沢大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (80143915)

研究分担者 早川 和一  金沢大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (40115267)
キーワード大気浮遊粒子状物質 / ディーゼル車排気粉じん / エストロゲン様作用 / 抗エストロゲン作用 / MCF-7細胞 / 多環芳香族炭化水素 / アリル炭化水素受容体 / α-ナフトフラボン
研究概要

【緒言】今日の主要な大気汚染物質の一つは大気浮遊粒子状物質であり、都市や幹線道路周辺では大気浮遊粒子状物質の大部分は自動車、特にディーゼル車排気粉じん(DEP)である。そこで本研究では、市販ディーゼル車から排気されるDEPを捕集し、その抽出物のエストロゲン様作用および抗エストロゲン作用を評価した。【実験】DEPの捕集:アイドリング状態で運転する市販ディーゼル車のマフラーの後方にローボリュームエアーサンプラーを設置し、石英繊維ろ紙上にDEPを捕集した。アッセイ試料の調整:捕修されたDEPからベンゼン-エタノール(3:1)で超音波抽出し、抽出物を最終的にエタノールに溶解してアッセイ試料とした。アッセイ:ヒト乳癌由来MCF-7細胞とエストロゲン応答ルシフェラーゼ発現プラスミドを用いたルシフェラーゼレポータージーンアッセイ法により行った。陽性コントロールには10pM17β-エストラジオール(E2)を用いた。【結果および考察】E2非存在下において細胞を抽出物試料で処理した場合はルシフェラーゼ活性の有意な上昇は見られず、10pME2存在下で細胞を処理した場合はE2によるルシフェラーゼ活性の上昇が抑制された。E2非存在下および存在下で有意な細胞毒性は認められなかったことから、DEP抽出物試料が抗エストロゲン作用を示すことが明らかになった。抽出物試料の処理により、細胞内のCYP1A1mRNAレベルが上昇し、アリル炭化水素水素受容体(AhR)のアンタゴニストであるα-ナフトフラボン(α-NF)の共処理によりCYP1A1mRNAレベルが低下し、抗エストロゲン作用の減弱化したことから、抽出物資料の抗エストロゲン作用に多環芳香族炭化水素類が寄与していると考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Kazumasa Okamura: "Antiestrogenic activity of extracts of diesel exhaust particulate matter in MCF-7 human breast carcinoma cells"Polycyclic Aromatic Compounds. 22(1)(印刷中). (2002)

  • [文献書誌] Toshiharu Hirose: "Estrogenic/antiestrogenic activities of benzo[α]pyrene monohydroxy derivatives"Journal of Health Science. 47(6). 552-558 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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