研究概要 |
1、はじめにデジタル画像解析法を用いる手洗い効果判定用システムを開発し、手術時手洗いの効果を検討した。 2、 対象および方法 (1)暗室内で、紫外線を発するストロボの照明下に、中間域の可視光線だけを透過するフィルターをデジタルカメラに取り付けて撮影した。デジタル画像処理法を用いて8-bit grey modeに変換し各pixelの輝度を合計し、デジタル画像の輝度を求めた。 (2)被検者3名を対象に蛍光色素の至適使用量を検討した。 (3)被検者9名(全て右利き)を対象に両手に蛍光色素ローション6mlを塗布し、手術時手洗い前後の輝度を検討した。手術時手洗いの前後で右手掌と左手背を撮影し、手掌、手背、手背の爪部において手洗い前の輝度(A)と手洗い後の輝度(B)から算術減少率1-B/Aと指数減少率log_<10>A/Bを求めた。手洗い後、Finger Print法を用いて指先の細菌培養も行い各減少率と比較検討した。 3、結果 (1)蛍光色素ローションの至適塗布量は6mlであった。 (2)左手の細菌培養の結果は陽性指29本、陰性指16本であった。爪部において、陽性群では算術減少率 0.892+/-0.03,指数減少率0.979+/-0.108、陰性群では算術減少率0.913+/-0.017、指数減少率1.066+/-0.083であり、両群間で統計学的有意差(p<0.01)を認めた。 4、まとめ爪部における除染効果は、指先における除菌効果と相関があることが示唆された。
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